Zoomを使ったテック系オンラインイベント開催において私たちがしていること

こんにちは。新型コロナウイルスの関係でたくさんのオフラインイベントが中止になったり延期になったりしています。私(額賀)が実行委員をしている WordCamp Asia 2020も中止を発表し、2021年1月に改めて WordCamp Asia 2021 をする方向で動いています。
正直言って、先週は中止の決定に悲しくて半分心が吹っ飛んでおりました。だって大規模オフラインイベントの開催って本当に準備は大変で、でもその中で当日みんなが楽しむことを楽しみにしているわけじゃないですか。そりゃ、中止は悲しいのです。

と、自分の話から始まって申し訳ないのですが、ふと気がつくと、あちこち「オンラインイベントに変更」とか「オンラインイベントを開催しよう」という文字が見えるようになったので、WP ZoomUPとして1年半くらいオンラインイベントを続けている私たちとしては、自分たちのオンラインイベントに関する知識を共有することによって、もしかしたら誰かの助けになるかも、ということでこちらの記事を書いてみることにしました。

WP ZoomUP の様子

Zoomの設定

私たちはオンラインイベントの開催にZoomというツールを使っています。
これは WordCamp Ogijima 2018 の実行委員ミーティングで使い始めたツールなのですが、それまでのオンラインミーティングツールよりも同期性が高くとても使いやすいです。

Zoom のサイト

Zoomは、iPhoneやAndroid用のアプリもあり、体感でいうと、割と回線が弱くても繋ぎやすいです。(私は男木島という島に住んでいて、回線はUQ WimaxというモバイルWi-Fiルーターを使っていますがストレスを感じていません)

アカウントの種類

Zoomのアカウントは有料アカウントの「プロアカウント」を契約しています。細かい話になりますが、最初の1年は言い出しっぺである西川伸一さんの個人アカウントを使わせてもらっていたのですが、1年経って別でアカウントを契約しました。

Zoomは無料アカウントの場合、40分の時間制限付きで使えます。また1対1の場合は無料アカウントでも時間制限はありません。

プロアカウントの料金は1ヶ月2,000円。1年分をまとめて払うと21,000円なので、2ヶ月分くらいの割引がつくことになります。継続で使うことが決まっているならば年払いがお得でしょう。とりあえずお試しとか、1回だけのイベントのためであれば月払いでも良いと思います。

zoomの料金プランページ

Zoomのプロアカウントで便利と感じること

  • 参加者100人までのミーティング
  • 1GBのクラウド記録
  • 共同ホストの有効
  • ブレイクアウトルーム

100人まで参加できるので、そこそこのイベントの人数はフォローできそうに思います。もっと参加者が増える場合はビジネスアカウントの契約か、「ウェビナー」というアドオンの100人以上用のライセンスの追加が必要になります。

1GBのクラウド記録

クラウドに録画をおいておけるのが地味に便利です。1GBなのでたくさんは置けませんが、ローカルのスペースを圧迫せずにすみます。

共同ホストの有効

チームでオーガナイズするのに便利な機能です。良くあるのが騒がしい生活音がする場所から途中参加してきた人がいた場合、セッションの途中などでも、その生活音にマイクが奪われてしまうことがあります。その時にホストがその人のマイクをミュートすることができるのですが、ホストが司会をしていたりする場合なかなかミュートするための音がどこからきているのか探しにくい場合などあります。共同ホストがいるとそういった場合の対処が素早くできます。

※生活音や例えばカフェなどからZoomに入って周りの音が聞こえてくる場合についてのホスト側の考えや対応については後述します。

ブレイクアウトルーム

これはもう一つ大きな見出しにしたいくらい便利な機能です。参加者をわけてそれぞれの部屋を作ることができます。例えば30人の参加者さんがいた時に5人ずつ6つの部屋とか。
WP ZoomUP では自己紹介やパネルディスカッション後の感想共有などにブレイクアウトルームを使っています。
一人の人がセッションをして他の人が聞くというようなセミナータイプでは必要ないかもしれませんが、この機能を使うことによって、参加者同士でコミュニケーションを取りにくいというオンラインイベントの欠点を少しですがフォローできるように感じています。

利用する時の注意としては、以下のようなことがあります。

  • ホストが全部の部屋の様子を見れるわけではない(各小部屋へ入る人は選択可能なので、チームメンバーがいる場合はファシリテーターができる人を各部屋に入れられると良さそう)
  • 時間を自動で設定してメインの部屋に戻るようなことはできないので、例えば5分をホストが計ってブレイクアウトルームの終了をする必要がある。
  • 終了してから1分カウント後にメインの部屋に戻るので、5分で終了したい時には4分で部屋を閉じる必要がある

ブレイクアウトルームについてはZoomの公式サイトにも詳細のサポートページがあるので興味のある方はそちらもご覧ください。ブレイクアウトルーム入門

アドオン:ウェビナー

アドオンの「ウェビナー」を追加すると100人から10,000人までの視聴専用の参加者を作れるようになります。ウェビナーの100人用の費用は月5,400円です。

この記事を書いていて調査したことによって判明したのですが、このウェビナーでの視聴参加100名はプロアカウント参加者の100名と人数は重複することとなります。
つまり参加者100人+視聴のみ参加100人ではなく、100人(参加者+視聴のみ参加)です。

またウェビナーの機能を使うとFacebook LiveとYouTube での配信ができます。WP ZoomUP では Facebook ページで Live の配信をおこなっています。

ウェビナー使用時の注意事項

ブレイクアウトルームとの兼ね合い

ウェビナーとブレイクアウトルームの同時使用はできません。

パネリスト権限の発行

ウェビナー時の発言できる参加者はパネリストと呼ばれ、先にウェビナーの機能よりメールアドレスを入力してそこから発行される個別URLで入室してもらうか、ホストが個別で参加者からパネリストに権限を変更する必要があります。
WP ZoomUPでは事前の個別URL発行と、それと別に一斉メールから入室された方は「手を挙げる」機能で挙手していただいて、それを共同ホストが個別でパネリストに権限を変更するという方法を取っています。

Zoomのアカウント設定から設定が必要

ブレイクアウトルームや、ライブストリームの配信機能を使いたい場合は、Zoomの「アカウント設定」からその機能を先にオンにする必要があります。
また、アカウント設定ではWP ZoomUPでは使っていませんが参加者の参加時に自動的にミュートする機能があったりと、細かく設定できる項目もあるので目を通しておくと良いでしょう!

オンラインイベント開催時に気をつけていること 機能編

オンラインイベント時に気をつけていることを書いてみます。

ヘッドセットはあると良い

環境として、司会やセッションスピーカーのような話す側はヘッドセットは必須と言っても良いでしょう。

性能がめちゃくちゃ良いものではなくても良いと思います。ヘッドセットがないと状況によってはハウリングしたり、PCによってはハウリング防止のためにマイク入力が徐々に自動で落ちる設定の場合もあり、話している側が思っているより、聞いている側は聞き取れないことが多くあります。

マイクに髪の毛や服や手が当たらないように注意

イヤホン型でマイクが下についているようなタイプの場合、長い髪が当たってガサガサいったり、服や手が当たってガサガサいったりします。自分が話している場合も思いがけず大きな音で伝わっていますし、参加者の場合でも音が出る用意しているときは、音声を奪ってしまうことになるので気をつけた方が良いです。

セッションスライドの文字は大きく

オンラインイベントだからといってセッションスライドの文字を小さくすると、スマートフォンやタブレットから参加している人にとっては、とても見難くなります。いろんな環境で参加している人がいるので、文字は大きめに作っておいた方が良いでしょう。

スピーカーや運営の場合の参加場所

どこからでも参加できるのがオンラインイベントの良いところではありますが、自身がスピーカーや運営など話すことが多い場合は、静かな場所から参加する方が良いです。当たり前と思うかもしれませんが、意外と生活音や雑踏の音などは拾いますし、「思いがけないもの」が背景に映り込んでしまうというハプニングもオンラインの場合はあります。

バーチャル背景を使う

「思いがけないもの」の映り込み防止にはバーチャル背景機能を使うという手もあります。これは好きな写真を背景に設定することができる機能です。ただし、例えば手に持ったものを見せたい場合にバーチャル背景があたってしまって見せることがなかなかできないというようなこともあります。

チャットへの貼り付けデータを先に作る

これは機能で良いのだろうか、と思いつつ。WP ZoomUPではチャットへのURLの貼り付けデータなどを先に用意しています。例えばスピーカーさんのTwitterアカウントへリンクをクリックしたらすぐに飛ぶことができるというのは、オンラインイベントのメリットだと思うのですが、そういった情報をできるだけ話のタイミング合わせて出せるように準備しておくという感じです。

参照のURL、次回開催の案内、アンケートなどのデータ、また繰り返しアナウンスしたいことなどを貼り付けデータとして準備しています。

Mentimter、 Sli.do の導入

オンラインイベントの特徴として「同時に1人の人しか話せない」ということがあります。ちょっと日本語としておかしいかな。正確にいうと「同時に複数人の音声は届かない」ですね。
先に何回か「マイクを奪ってしまう」という書き方をしましたが、音声入力ができるのは1人の人なので、誰かが話している時には他の人は基本聞いているスタイルになります。

そうするとどうしても相互のコミュニケーションが生まれにくく、補助としてチャットがあったりブレイクアウトルームを使ったりはするのですが、プラスして積極的に参加してもらえるようにインタラクティブツールとしてSli.doを利用しています。

https://www.sli.do/

Sli.doではアンケートや、質問を参加者さんから記入していただくことができます。

最初はMentimeterというツールを使っていたのですが、アンケートや文字が日本語の場合、全て画像変換されて表示されているようでアクセシビリティ対応を考えてSli.doに変更しました。

英語はスクリーンリーダーでも読めるとのことなので、日本語対応してくれるといいなと祈っています。

Mentimeterでのアンケート回答画面

オンラインイベント開催時に気をつけていること 運営編

スピーカーに合いの手を入れて良いかの確認

オンラインで話をするのは意外と緊張します。これはなんでかというと、話している時、受け取り手の温度感がなかなか伝わらないからだと思います。オフラインの場合、「頷きながら見てくれてる」「笑ってる」で安心して話が進められる、反対でもつまんなさそうだから話の角度を変えようとかできるのですが、オンラインの場合は聞いている人の反応はわかりにくいです。

なので司会や運営がセッションに合いの手を入れてあげると、話しやすくなる場合もあると思います。もちろん「30分とにかく話きりたい」というスピーカーさんもいると思うので、可能であればそういった対応をどうするか事前打ち合わせ、もしくはセッション前に聞けると良いでしょう。

タイムキーパーを作る

イベントのスタイルにもよると思いますが、WP ZoomUPの場合セッション中も合いの手を入れたり、なんだったら途中でも質問に答えたりしているので、質問が多かったりすると、できるだけ答えたいがためにどんどんイベント時間がのびるという事態が起こっていました。

最近はタイムキーパーを作ってイベントを時間通りに運営できるように努めています。ただし、タイムキーパーはオフラインのイベントと違って「時間ですよ」と発声をしなければいけないので、話が盛り上がっていたりすると、入りにくく、様子を見ながら声をかけるというちょっと属人的なスキルが必要な役割にもなっています。

「歓迎されること」と「歓迎されないこと」の発表

WP ZoomUPでは「歓迎されること」「歓迎されないこと」のアナウンスを最初に運営よりしています。

これは、当初そんなに意識していなかったのですが、やって良かったなと感じています。
オンラインイベントの方が流れの早い文字でのやりとりが発生するので、言葉が足りなく誤解される人がいたり、背景の映り込みもそうですが自宅から繋いだりとプライベートな場との接続になるので、不快になる閾値もオフラインイベントとは違うように思っています。

またブレイクアウトルームを使ったり、プライベートチャットの利用をOKにしていると運営の見えないところでのコミュニケーションが発生するので、場としてのOKなこと、そしてNGなラインを出しておくのは大切なように思いました。

ちなみに WP ZoomUP での「歓迎されること」と「歓迎されないこと」は以下です。

最後に

他にもUDトークの導入など、色々あるのですが、思い浮かんだものをざっと書いてみました。

今回の記事は額賀が書いていますが、こういったWP ZoomUPでの試みや、重ねた知見はみんなで作ってきたものです。

WP ZoomUP 言い出しっぺで超絶気遣いの人な西川さん、多角的な視点を持ったさよこさん、マネージメント手腕がすばらしい直子さん、スーパーフォロワーシップ齋木さん、類稀なる行動力と発想力のちあきさん、バランスと調整の人とろゆにさん。そして、収益部門に手を挙げてくれた金庫番中谷さん、YouTube担当毎回動画をアップしてくれてる仕事の早さがすばらしいはやつ〜さん、タスク管理からポスター作成まで新しい風を吹き込んでくれるmimiさん、冷静沈着だけどさっと提案してカードとか作ってくれちゃう高橋さん、サイトへの商品追加とか地味なことを積み重ねられるちゃんとした大人本田さん、そして人生何周目かで広い視点を持ってたくさんのクエスチョンに答えてくれるしずみさん

と、多くの人によって WP ZoomUPは進行中で、この記事もこういった人たちみんなの気づきによって積み上げられたものなのでした!

では、皆さま、よきオンラインイベントライフを!

この記事を書いた人

NukagaJunko