ページビルダーとGutenberg、Wixなどのサイトビルダーについて。 #wpzoomup #4

WordPress におけるページビルダー、あるいはサイトビルダーとは、ドラッグ・アンド・ドロップで、複雑なレイアウトのコンテンツを、コーディングをすることなく、制作できるようになるプラグインのことです。

人気のあるページビルダープラグインには以下のものがあります。

見た目的にどんなものなのかは以下の動画を見てもらえば分かると思います。

一方、Gutenbergとは、2018年の年末/年明けにリリースされるWordPress 5.0から採用される新しいエディターのことです。エディターとは、以下の画面のことです。タイトルや本文、その他のメタボックス(いろんな箱が並んでる)で構成されています。

こちらが現在世界の31%のウェブサイトで動いているエディターです。

このエディターが、以下のように変わります。

全WordPressのエディターが一気にこちらに変わります。見た目がだいぶ違いますが、使い方もすごく変わります。

今回のWP ZoomUPでは両方を一気に見てみます

11月14日水曜日夜9時からの第4回目のWP ZoomUPでは、ページビルダーとGutenberg、それぞれについて日本で一番詳しいのではないかという二組に登場していただいて、これらを使ってページを作っていくところをデモしていただきます。

カスタムフィールド、ウェブアセンブラー、サイトビルダーSaaSとウェブ制作者

コーディングをしないということには、どんな価値があるのでしょうか?手間が省ける、スピードが上がる、初心者でも作れる、など?現代は、AIがデザインからコーディングをしてくれる時代です。制作の作業をしている人たちにとっても、こうした新しいツールをキチンと抑えて知っておくことは大事だと思います。以下に、いくつかポイントを書いてみたいと思います。

カスタムフィールド製造業界とウェブアセンブラー

カスタムフィールド製造業

1年ほど前でしょうか、私がネーミングして発見されたものに「カスタムフィールド製造業界」なるものがあります。これが何かと申しますと、WordPressの主に請負、受託の業態の中で、カスタムフィールドを数十個、時には百の単位で作成することで、複雑なレイアウト、検索、絞り込みなどを可能にすることでお金を稼ぐ業界のことです。

カスタムフィールドは別名ポストメタですので、投稿に付随するメタなデータ、属性値などのことです。日付やカテゴリー、商品の価格、関連の投稿などはメタなものです。ページビルダーやGutenbergの導入によってこの業界に属する人たちが考えなければいけないことのひとつに、レイアウトやデザインをカスタムフィールドで実現するのってどうなの?問題があります。つまり、検索のための値(価格、日付、地域)以外のもの、たとえばスライドショーで表示したい画像や地図、小見出しなどをメタデータとして登録して、テンプレートの中に表示するとき、そのメタはメタなのだろうか?ということです。

私の考えでは、Gutenbergの登場によって、メタはメタらしく、レイアウト要素はレイアウト要素らしく組み込まれるようになっていくのではないかと思います。

ウェブアセンブリ

“assemble” という言葉は、「組み立てる」という意味です。ウェブアセンブラーは、ウェブ組立工となりますが、WordPress in 2016 | Noel Tock に元来意味されていたものは、以下のようになります。

サーバーのパッケージと有料テーマ、それにプラグインを組み合わせ、ウェブデザインと称して販売すること

上記の WordPress in 2016 を筆者が翻訳したもの

すごく分かりやすく広げて考えると以下のような商売のあり方です。

  • 高機能で再販可能なサーバーを契約して月に5千円くらい払うことでバックアップやステージング環境を確保しつつ、そこに30のクライアントのウェブサイトを全部載せて、月額の費用を1万円ずつもらう。
  • テーマは超高機能でなんでもできるようなものひとつを3万円くらいで買っておいて、それに精通することで花屋、歯医者、翻訳会社、弁護士、カフェのウェブサイトすべてをそれで作る。
  • たくさんのプラグインを駆使して機能をくっつける。
  • イニシャルの作業費は1サイト20万円くらい。
  • 毎月のアップデートは、一括管理ツールで一気にやってしまう。

すでにたくさんあるWordPress周辺の便利ツールを組み合わせれば、コーディングしなくても毎月30万円の固定収入と、新しいサイトを月に3つ作るなどして、月収100万円!みたいな感じですね。

そんなに簡単ではなく、テーマの使い方やプラグインの選球眼、各種サービスのアップデートに気を配りつつ、新しいツールを導入していくという専門家にならないといけません。僕がバンコクでコミュニティーを運営していたころ、こういう人にときどき会いました。特徴としては、ソフトウェアとしてのWordPressとか貢献とかオープンソースとか、全然興味ない人たちが多かったような気がします笑 そういう市場が実は大きいのだな、としみじみ思ったものです。

こういう作り方、商売を見ていて考えたこととしては、スクラッチで作ること、完全なカスタムメイドであることは、クライアント側から見てどれほど価値のあることなのか、ということです。どういうことでしょうか?

サイトビルダーサービスが強い

Gutenbergは何を目指して開発されて、WordPressのデフォルトエディターとして搭載されるのでしょうか?ひとつの文脈、背景としては、Wix、Squarespace、Jimdoなどのウェブサイトビルダーサービスの流行があります。

Jimdo を使ってウェブサイトを作るところ
Wix でウェブサイトを作っているところ

これらのサービスは、SaaS(ウェブサービス)であり、これらの会社のウェブサイトにログインして、ブラウザ上でページを作って公開するものです。特徴としては、コーディング一切することなく、テンプレートを選んでドラッグ・アンド・ドロップでウェブサイトを作っていくことができる点です。

WordPressを人に勧めるときに「誰でもウェブサイトを簡単に作れます!」という売り文句が有効だったのはいつまでのことだったのでしょうか?たしかに、その昔、ウェブサイトを作る、ブログを作るというときに、HTMLを自分で書いてサーバーに設置しなければいけなかった時代には、WordPressをインストールして、5分インストールの画面を開いてポチポチやればブログが書けて、テーマでデザインが変えられて、プラグインで機能が追加できるというのは革命的だったでしょう。ところが、現在のウェブサイトには、それ以上のことが求められています。ウェブサイトをもつことが超一般的なことになって、本当に何も知らない人にでも、本当に簡単にウェブサイトを作り上げることができるというサービスが流行っているわけです。

ページビルダーは、その差分を埋めていたわけですね。Gutenbergも、そういう層に対して、「ウェブサイトならWordPress!」ということを言えるようにするために頑張っている面は確実にあります。

SaaSでいいじゃん、という傾向はECサイトでも同様です。WooCommerceがいいとは言うけれど、それは楽天、Yahoo! Shopping、Base、Storesと比べてどうなんだ、と。Shopifyがガンガン伸びているけれどもどうなんだ、と。あるいは、文章のコンテンツパブリッシングについて、note を見たときに、ログインするだけで使えて、ネットワーク効果も期待できて、書きやすく、読みやすく、課金もできて、アプリもあるというときに、WordPressであることの意味はなんなのか、ということも考えないといけないです。

Gutenberg は、今までのエディターでは実現できなかったたくさんのことができるようになります。また、ショートコードなどもGutenberg内部の機能に置き換わっていきます。ほんとうの意味でユーザーに使いやすいものを目指しているということで理解しておいてよいでしょう。今回のイベントではそんなような話もできればいいなと思っております。

この記事を書いた人

Shinichi Nishikawa